立ったり歩いた時、足の指が強く曲がってしまうクロートゥ(Claw toe)について

脳卒中による後遺症の一つに、立った時や歩くときに足の指が強く曲がってしまう現象があります。

専門用語では、クロートゥ(claw toe)だったり、緊張性足趾屈曲反射(Tonic toe flextion reflex:TTFR)と呼ばれています。

この足指の曲がりについてまとめてみましたので、是非参考になればと思います。

クロートゥ(Claw toe)・緊張性足趾屈曲反射(TTFR)の原因

痙性と同様に錐体路障害で生じると考えられています。ベッドで横になっていたり、座っているときには問題ありませんが、立つ・歩くときに見られることが特徴です。

放っておくと・・・

感覚が悪い方などは、自分の指が曲がっていることに気づいていないことも。痛みを伴い歩くことが困難になる方や、足趾の変形に繋がる場合もあります。

また、下記で述べますが、歩行能力低下に影響することが指摘されています。

対処方法

装具療法

装具の足趾下部分に、inhibitor bar(指枕)を作ってもらうことで、指の曲がりを抑えることを狙います。これにより、痛みの軽減、歩行能力の向上、足趾の変形予防などが期待できます。

ある報告によると、クロートゥの方に対してinhibitor barを装着することで、最大歩行速度が14.5%、歩幅で6.7%の増加をみとめました1)。

この報告では、「痛みがないクロートゥの片麻痺者」を対象にしてますので、除痛効果による歩行能力向上ではないことに注目です。

これが何を意味しているのかというと、指が曲がったまま歩いていることが、痛みの有無にかかわらず、歩行能力低下を招いている可能性がある、と捉えることが出来ます。

クロートゥがみられるけど装具が調整されていない場合、医師や担当セラピスト、義肢装具士の方へ確認してみるといいかもしれません。

ボツリヌス(ボトックス)療法

ボツリヌス療法は、 ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。

痙縮のみられる筋肉に注射することで筋肉の緊張を和らげることができ、痛みが軽減できたり、クロートゥの軽減を図ります。ボツリヌス療法は、痙縮に対する治療として、脳卒中治療ガイドライン2015においても強く勧められている治療法です。

リハビリ

装具の工夫やボツリヌス療法などに加え、そもそものクロートゥ悪化防止・改善として重要なことが、日々のリハビリです。

足首や足趾のストレッチ、マッサージは継続して行うことがオススメです。痙縮がある方は、筋肉が硬くなったり関節可動域制限・変形を生じることがあります。

関節可動域制限や変形が生じてしまうと、元のようにもどすことが難しくなってしまいます。そうなってから対処するのではなく、日々のケア・予防することが重要です。

おわりに

今回は、脳卒中の後遺症として比較的多くみられる、クロートゥについてまとめました。痛みがなくても、歩行能力低下・変形・関節可動域制限などにつながることがありますので、気になる方は是非ご相談ください。

参考文献

1)岩田 学 他:片麻痺患者の装具歩行におけるinhibitor barの効果.日本義肢装具学誌.1998;14:372-377.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です